« 親を許すなゲッターリーチ | メイン | アロマ企画の謎 »
2005年03月20日
柳生十兵衛死す
Amazonより、「柳生十兵衛死す」と「神州纐纈城」届く。
最近もう本当に石川賢の漫画しか買ってない。今のダンボールに虚無戦記とかゲッターとかうず高く積まれていると、明らかにその付近だけ空気が違う。ゲッター値とか。
◆「柳生十兵衛死す」(全5巻) [集英社 ビジネスジャンプコミックス]
原作:山田風太郎 作画:石川賢
【ストーリー】
山城国相楽群で、柳生十兵衛が死体で発見された。
しかしその死体は、十兵衛とは逆に右目が潰れていた…
当代随一の剣豪の身に何が起こったか?そもそもその死体は本当に十兵衛本人のものなのか?
その死に至る奇想天外な顛末を語る物語が始まる。時間を一年遡り、慶安二年。金春竹阿弥の能に興じる十兵衛の前に、由比正雪が現れ、自らの軍学同乗の指南役にスカウトする。しかしニベもない態度で応じる十兵衛。キれて襲い掛かる正雪の従者を、奥義「離剣の剣」で軽くあしらう十兵衛を見て、能楽の奥義を悟る竹阿弥。入魂の舞に酔いしれる一同の目の前に、突如現れる武者軍団と機動江戸城。
現れた男は、「もう一つの、忍が支配する江戸時代」を支配する「忍者・徳川家康」を名乗り、十兵衛を「自分の江戸時代を滅ぼす男」であるが故に抹殺すると宣言し、襲い掛かる。「優れた能とは観客の精神を別世界に誘うもの、それを極めた『影能』は、精神ならず肉体をも別の世界と時間に導く『刻渡り』の装置となる。金春竹阿弥・その子七郎と共に、空間と時間を越えた『時代との戦い』が始まる。
「主人公が死んでるシーンからいきなり始まる(そもそもタイトルからしてそうなんだけど)」というショッキングな構成でつかみはOK。しかし残念な事にこの作品打ち切りなもので、「なんで逆目潰れた十兵衛が死んでたのか」という謎が解明されないまま終わってしまうのが残念無念。1巻2巻書き下ろしで構わないので続けて欲しかった…例によって原作無視の大暴れとはいえ、山田風太郎の敷いた筋はあったわけだし。
ラストの「戦いはこれからだ!」という、ストレートすぎてなかなか誰も使わないセリフに涙。
石川賢が動かす柳生十兵衛といえば、「魔界転生」での実績もあるので、キャラと暴れっぷりには折り紙つき。
「忍者・侍・剣豪・エロ・そしてSF」という山田大サーカスに加え、「重火器・空中戦艦・流血大増量・一瞬だけ虚無」という「石川俺ワールド」がエキサイティングに作用しあい、一気に読ませる展開。ウマナミや月の輪の宮もいいキャラクターで、ホント「打ち切りで途中までなんだけど」という枕つきでしか推薦できないのが口惜しいっす。
ツボ:(十兵衛のセリフ)
「(敵の忍者を斬り捨てて)俺の刀の切っ先の届く奴はすべて斬る!」
「(鎖鎌の忍者に銃ぶっぱなして)切っ先の届かない奴も殺す!!」
「撃つ!」じゃなくて「殺す!」って辺りがイシカワイズム炸裂で素敵過ぎ。
まあこの無念さを晴らすため、近々原作の方も是非読んでみようと思う。
ええ、オトナですから、「石川版を読んで原作読んだつもりになっちゃダメ」ってことくらいは分かってますともさ。
明日の仕事のプリントなど作りつつ(年末にレーザープリンタ購入して本当に良かった…)、5巻まで一気に読む。纐纈城は時間がないのでまた明日。
投稿者 zerodama : 2005年03月20日 23:31
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://zerodama.s1.xrea.com/zlog/mt-tb.cgi/12