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2005年04月03日
同じ作品の1巻を二度買わされる屈辱
★「屈辱er 大河原上」(1)(2) 坂本タクマ
三才ブックス 各¥1050
「コミックバンチ」連載作品なのだが、1巻が出たあとずっと2巻が出ず、「どうしたのかなー」と思っていたら、いろんないきさつの末に、三才ブックスから再編集版が出ていたのだった。
(詳しい事情は、坂本先生の公式サイト「坂本タクマの絶対ギガモトXP」の「製品情報」にて)
ここでのキモは、三才版の1巻には、バンチコミックス版に未収録の回も入っているということなのだ。
その収録回の分は、まだバンチを購入していた頃なので、読んだといえば読んだのだが、どうせ2巻を買うならば…ということで、内容の80%がダブリにもかかわらず、1巻をもう一度買うことになったのだった。なかなかの屈辱である。
坂本タクマ先生は、大学の漫研時代の先輩だった。麻雀が強い人だった。爽やかな毒舌の中にも、何度か新入生の私の暴牌を見逃してくれたりという優しさを持った方で、似顔絵は実にソックリだ。
以前、麻雀雑誌に連載していた「ぶんぶんレジデンス」という作品が単行本になったのだが、残念なことに、続きがあるにもかかわらず1巻しか発行されなかった。
私のサイトのコーナー「ご本の樹海」で「ぶんぶんレジデンス」を紹介したとき、私は何と勘違いしたのか、うっかりと「2巻まで刊行」と書いてしまい、ご本人からお叱りを受けたときはもう、恥ずかしいやら申し訳ないやらでバツが悪かったことを覚えている。
この三才ブックス版刊行の最大の意義は、表紙折り返しでご本人が語っている通り、「待望の2巻目」ということにある。なかなか単行本が出にくい短編ギャグ作家の心の叫びなのだろう。坂本先生は基本的にクールな人という印象が強かったが、もう2巻に対する喜びようったらない。
<作者コメント引用>
正直に言って、本作品の1巻には何の興味もなかった。2巻こそが坂本タクマにとって重要なのだ。生涯初の2巻が。なんなら1巻を飛ばして2巻から出してもいいくらいだ。(中略)2巻が出る夢を何度も見た。町ですれ違った人が「ニカン」といったような気がして振り返った。(以下略)
作者コメントを読むだけで目頭が熱くなってきて、「ああ、なんだかやたらといい紙を使っているせいか単価がちょっと高いような気もするけど、買ってよかったなあ」という気分になってくるのだった。
ところで、作者自身が喜ぶのはいいとしても、編集までそれを前面に出しちゃって、前面どころか帯にまで明記しちゃうのは出しすぎにもほどがあるんじゃなかろうかと。
「待望の2巻」の左上にしっかりと「作者」。そこまでせんでも。そこまでされたら、いつもは捨てる帯もキープせざるをえない屈辱。
投稿者 zerodama : 2005年04月03日 00:50
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