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2005年05月26日
一周忌
午後、玄機先輩のご実家に、お線香をあげにお邪魔する。
最初は、お墓にお花をあげていこうと思ったのだが、母から「それであんたは気持ちが満足するかもしれないけれど、おうちの方に『誰が来てくれたかわからない』よりは、『お水を上げに来てくれるお友達がいる』ほうが嬉しいと思うよ」と諭され、それはそうだなあと考えを替えたのだった。
近くの花屋で、仏花を誂えてもらう。
「ユリを入れて」と注文したら、色々なユリを見せてくれたので、「ちょっと珍しい種類」とお店の人が言う、薄い黄色で上品なのを選ぶ。
若い人へのものだから地味にしたくなくて、赤い色も少し添えてもらった。
あらかじめお電話差し上げるとお母さんが出てくださったのだが、妹さんも一緒だった。
昨年のお盆にお邪魔したときはお仏壇だったが、今年は居間の棚に、写真や先輩の書いた絵、つかっていたコンピュータや画材、本、お友達からのメッセージなどが整理されて飾られていた。何度もお部屋に遊びに行った私には馴染みのあるものが多かった。
ネコの置物やぬいぐるみなどもあって、いかにもネコ好きの先輩(愛猫はご実家で元気だった)らしい。
「先輩は猫が好きでしたからね…」
お茶をいただきながら、お母さんと少し話す。
入院中も、お母さんが「何か欲しいものがあったら持ってくるから」と尋ねると、いつも
「なまねこ♪」
と答えていたという。
どんな声でそう言ったかがそのまま想像できて、言葉に詰まってしまった。
一年経つのは早いですね…と語るお母さんだが、まだ気持ち的にはさぞ生々しい痛みがあることと思う。
「お盆とかお正月になると、ひょっこり帰ってきそうな気がして」
とお母さん。結局今回も泣かせてしまったが、母の言うとおり「私はずっと先輩のことを思っています」ということが伝えられて、来てよかったのだろうと思えた。
帰り際、お母さんから銀七宝のしおりをいただいた。
私のように訪れる人たちに渡してくださっているようだった。
青緑の美しい細工が施してあった。こういう色が先輩は好きだったように思う。
投稿者 zerodama : 2005年05月26日 21:55
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