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2006年06月12日

アストロ球団(1)

昨年放映された「アストロ球団」のドラマ、山形では今年になってようやく放映された(だけよかった…)。現在「第4球」(ロッテ戦)の放映が終了したところ。
最初はウォッチ目線で見てやろうと思い録画していたのだが、思いのほかイケる。少なくともスタッフが自ら「アストロバカ」に徹しており、決して半笑いでは作っていないということは伝わってくるのだ。
おかげで現在は、いつの間にか「一週間で一番楽しみな番組」になりつつあり、7日に一度「アストロ球団応援歌(劇中で必ず1回は流れる)」を聴かないと、何というかエナジーが足りないような気にすらなってきてしまった。先週などは、番組時間変更の煽りで前半しか録れず、
「ああ!ダメなのわたくし!週に1回アストロ応援歌を聴かなければダメなの!」という状態に今一歩のところまで達してしまったのだった。恐ろしい番組(白目)…

序盤で何がこんなに心を捉えたかといえば、やはり「ベテラン俳優がこんなトンデモドラマに借り出されているにも関わらず、全力で、むしろ喜々として入魂してる」点が大きいと思う。
一例には、J・シュウロ役の千葉真一の全力っぷり。立ってるだけで濃いったらないのは生まれつきだが、球三郎(の死体)を(上空から突き落として)蘇生させる時の、ノースタントな両手放しの喜々としていることといったらもう。
そして石丸謙二郎である。
彼はロッテの監督・カネやん役なのだが、これがもうすごい怪演だった。
言われてみれば石丸氏とカネやん、顔つきがけっこう似ている。それだけでなく、見事に「あの頃の野球マンガで好き勝手に扱われていたカネやん」そのものになっている。これは凄い事だ。
(若い人にはピンとこないかもしれないので解説しておくと、30年位前の野球マンガには、実名の選手や監督がやたらと登場し、さまざまな役柄を演じていた。当時の超絶人気の影響もあり、巨人の選手・監督の登場率高し。長嶋や王はたいていカッコよく、川上は善人の時もあれば、「アストロ」のように悪人寄りのこともあった。その中にあってカネやんはやっぱり「破天荒で大阪弁」なキャラ設定が多かった。まあアストロがもっとも「やったるでえ」なカネやんではあった。)

イヤに楽しそうにやってるなあ、と思いドラマ公式を見てみると、実に腹の底から楽しかったらしいのだ。
(以下、同サイトの「撮影日誌」⇒「バックナンバー」⇒「超人になりたかった僕」より)

昭和28年生まれの石丸氏、気持ちのいいロケ日和の中、テンションが高まり行く。かつてリアルタイムで「アストロ」を読んでいただけでなく、「昭和29年生まれ」なアストロ戦士と一年違い、同世代だ!とハイになっていく。

アストロ超人たちは昭和29年生まれ。僕は28年生まれ。近い!同年代だ!
俺も超人になれるかもしれない!!いや、俺は超人だ!きっと!
「よーし、飛んでやろう!大きく跳んでやろう!」
俺は思ったまま青々と茂った芝生の上 に身を投げた。イメージは完璧。綺麗に飛び込み前転をしている はずだった。

「ブォキィ!!!!!!!!!!!!!」

いやな音がした。
あれっ?イメージと違う。どうしたんだ?何かがおかしい。何が起こったんだ?
…徐々に自分が置かれた状況を理解し始め、愕然とした。右肩がおかしい、激痛が走る。折れたのか?
はずれたのか?

そーっと、立ち上がってみる。やはりおかしい。僕は痛みが激しくなる前にスタッフに頼んだ「すみま せん、肩をやっちゃったみたいです。痛めたみたい…。救急車呼んでもらえますか?」

い、石丸さん……
結局「右肩靭帯断絶による脱臼」だったそうな。なんて人…

でも、画面からはケガの気配など全然感じなかったぜ!ナイスガッツ!カネやん!

この話を読んだ時、ここまでやっちゃう出演者がいて、面白くない筈はないわなー、と妙に納得したのだった。

あと、出番は少ないが、長嶋役の神保智史氏。
まあぶっちゃけあんまり楽しそうにも見えないが、この人、結構人気もあるだろうに、ホンットに仕事選ばないんだなーと感心させられる。

他には、あの濃いデザインのキャラを、よくぞこんなに再現できたもんだという感動もある。
特に球七。
あの前髪を一目見た時に「やられた」と思った。まさかこんなにバカ正直に再現するか?しかも試合中もしっかりキープ。すごい。
未見の分では、デビッド伊東の氏家。写真一枚だけで伝わるこの再現率。こいつはヤバそうだ。氏家の活躍と崩壊シーンを想像しただけで心が躍るよ。
また、キャラじゃないけど、ビクトリー球団のヘルメット頭頂部のトンガリ(避雷針みたいなの)。あの「もの言わぬバカっぽさ」を実写映像で一瞬見るだけでご飯三倍は軽い。

色々な人が出演していて、萩野崇もダイナマイト拳を演っている。この役、そんなに出番が多くないので残念。そして写真では、生え際が激しく心配。

残念なのは主役(林剛史)の濃度と滑舌・演技力の不足。デカブルーの時は悪くなかったと思うのだが、いざ主役となると、「ホージーは無口系クールな役で助かったんだね…」と思わざるを得ない。年は多少食ってても、思いっきり濃い顔で、雄叫びをちゃんとやれる人がよかったなー。
また、投球シーンでは、スタント使ってもいいから、足をピシッ!と綺麗に上げてくれんと萎えるっすよ。

などと色々言いつつも、毎週楽しんでおります。
未見の方は、ドラマ公式の「動画」をどうぞ。短いダイジェストですが十二分に伝わると思います。色々と。

投稿者 zerodama : 2006年06月12日 14:56

コメント

こんな面白そうなのをやってたなんて。

石丸さん、ダウンタウンDXで、自ら”日本で初めてストリーキングをした男である”話をされていて、
私の『世界の車窓から』のイメージが大きく変わってしまったなあ。

神保智史さんも朝日の刑事シリーズ『相棒』でラムネが好物のゲイ役で大好きです。

投稿者 ふらここ : 2006年06月12日 21:09

去年あたり、深夜にやっていたので最初見てたのですが、
他の番組の延長とかに邪魔されてちょっと見れない間に
人をぶん投げてホームランを無効にしたりするひととかでてきて
ちょっとついていけんかったとです。
やはり原作読んでから見るべきだったのですかいのう(涙
あとピッチャー返しでピッチャーを瀕死の重傷にするのは怖いよう!

投稿者 鉄郎 : 2006年06月13日 01:08

お久しぶりです。
某足跡ではお見かけしていましたが東京砂漠にさまよっていたためなんとも地味に生きておりました。

さてアストロですが、私も昨年偶然深夜に見ました。
「あーもう寝よう」とホテルでTVを消す前に少しCHを回してみたら、なんか「アストロっぽいドラマ」をやっていたので、何だろう?と思って少し見つづけたらなんとそのもの!
素晴らしい番組でした。

投稿者 2☆ : 2006年06月13日 16:00

>ふらここさん
「アストロ球団」はDVD出てますよ~。レンタル(あれば)してみてはいかがでしょうか。
>石丸さん、ダウンタウンDXで、自ら”日本で初めてストリーキングをした男である”話
えええええぇぇぇ。私も初耳ですー。
Wikipediaにもしっかり載ってたわ…

>1974年、原宿の表参道で日本で初めてストリーキングをやった。 その様子は新聞にも掲載された「ストリーク!ストリーク!」と叫びながら走ったという。

まさに!「タマとバットは男の証!(アストロ球団応援歌の2番の歌詞)」を地で行ってます!
元祖肉体派だったんですね…

>鉄郎さん
>人をぶん投げてホームランを無効にしたりするひととかでてきて
ちょっとついていけんかったとです。

そうでしたか…でもそれってすごく序の口だったりするんです。

>やはり原作読んでから見るべきだったのですかいのう(涙
そうですねー、多分あのドラマのメインターゲットは「アストロ球団読んでた人」もしくは「直接読んだことはないが、技とかのトンデモなさは知っている人」なんだと思うんですよ。そういう人が、
「人間ナイアガラをドラマでどうやるんだ?」
「三段ドロップはやっぱりCG処理なのか?」
という興味で食らい付くのを狙ってたのかな、と。
公式から「原作情報」のリンクで、原作のキャラや大体のストーリーを解説するページに行けます。妙に充実(ツッコミまでも)していて、それだけでもかなりお腹いっぱい間違いナシです。

>あとピッチャー返しでピッチャーを瀕死の重傷にするのは怖いよう!

「アストロ」世界では、「必殺技」がまさに文字通りですからね。「(超人でなければ)必ず殺すほどの技」。まあ、たまに超人も死ぬんですけどね。

>にぼしさん
おかえりなさいませ。東京のお勤めご苦労様でした。

>なんか「アストロっぽいドラマ」をやっていたので、何だろう?と思って少し見つづけたらなんとそのもの!

あの番組に対して理想的な出会い方だと思います。「アストロっぽいドラマ」という表現が最高です♪

投稿者 大道寺零 : 2006年06月13日 17:51

「仕事選べよ」と思うようなキャストが多いですよね。確か後半にバロン森(大沢樹生)の生尻がでてくる場面があり、驚きました。

旦那の携帯着メロはオープニングとエンディングの曲にしてますが、テレ朝日に金を払うのは嫌なので自作。
応援歌は良い音源が無かったので作るのを断念。公式サイトでDLしちゃおうかなぁ。

投稿者 流れ者 : 2006年06月14日 01:37