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2005年07月19日

ひとりずつひとつ

mixiで、きたかZさんの「人の名前で、『辰夫』だったか『辰男』だったか分からなくなっちゃう時あるよね」という話をしていて、つい話題を「当て字系の名前」の方にまで振ってしまった。
幼児の世代では、もはやマジョリティを確立しつつあるかの勢いで、現に小学校の現場に勤務している義妹の話によれば、「美海=まりん」など、読めない当て字がかなり増え、「○子」という名前など、学年に一人いるかどうか…らしい。
高校でもすでに、「難読名前」が女子を中心にスタンダードになりつつある(特に「さやか」のバリエーションがすごい)のだが、これからはもっと教員を悩ませる名前が増えてくる(男子にも)ので、相方はタイヘンそうだ。

検索して見つけたのが
かわいそうな名前をつけられてしまった子供一覧。


まー、親がよかれと思って付けた名前で、子供も将来納得するのだろうから「かわいそう」という言い方も行き過ぎてるかもしれないが、中には色々な意味で「かわいそう(両親のオツムの具合とかが)」なものも。
「ハム太郎」って。
公太郎」君にそういうあだ名がつくならまだしも。
他にも検索で見つけただけでも「月渚」=「ルナ」、「月姫」=「うさぎ」など、絶対読めない名前が、幼稚園や小学校にひしめいているのだ(さすがに「月姫」=「うさぎ」は色々匂い過ぎてどうかと思うんだが)。
子供の名前には、「こんな人間に育って欲しい」という親の願いとか、また生まれたときの季節や状況にちなんだり…と色々な思いが込められているものだが、
「れたすちゃん」「もやしちゃん」「のいずちゃん」「あなこんだちゃん」に一体どうなって欲しいのだろうか…
また、ゲームやアニメ・マンガ、アイドルやタレントの名前ものは、子供が成長して名前の由来を知ったらorzになる確率が高そうに思う。特に腐女子系・エロゲ・ギャルゲー系はヤバいのでは。

これらの当て字を見てもっとも「アイタ」と感じるのは、そのほとんどが「外国人風の名前」だという点にあると思う。すると親は大抵「将来、外国で活躍したり、外国人と交わる際に、相手の読みやすい名前にした方がよいと思って」と言うのだが、そうやって夢を過分に抱くご家庭のご子息に限って英語の成績が目も当てられなかっt(以下自粛)…
いや、どうしてもそういう名前を付けたければ、潔くカタカナにすればいいのに…と思うのだが…

検索していて、とあるblogのエントリーに突き当たった(リンクは差し控えます)。
その人は、自分の娘に「美海」と書いて「ちゅら」と名づけた。
役所の戸籍係は「ちゅら」とは読めず(そらそーだ、沖縄の人ならいざ知らず)、筆者はこう続ける。

「これから、ちゅらは何回も何百回も「なんて読むの?」って
 名前を聞かれるんだよね。
 覚悟はしてたけど、かわいそうだな~
 ごめんよ、ちゅら・・・
 でも、ママもパパも思い入れのある意味のある名前で
 すごく気に入ってるからね。」

何かすごいな。
「パパとママが気に入ってるから」って、フォローのつもりなのか。

しかしさらに、読者からのコメントが続く。

・ いいよ、いいよ。
 みんなと一緒の名前のほうが嫌だと思うよ。
・えっ、私、「ちゅら」以外に読めなかったけど(アリエン…)

つまり、「名前は人と違えば違うほど個性的だしかっこいいのでOK」という感覚が、若い親にはもはや普通らしいので、これからも当て字はますます凄まじくなっていく事なんだろう…まあいいんだけど…私はもう学校に戻る事もないのでいいんだけど…相方にご愁傷様です。

私の仕事の一つに、「55歳以上のシルバー世代への講習」があるのだが、受講者の名前が覚えやすくて助かる(この世代は今とは逆に、男性の名前に難しい文字を使ってたりするので読みづらいものがあるが)。「タネさん」「すみれさん」「伝次郎さん」…ああ、なんだかとっても清清しいなあと思ってしまうのだ。
あとは、いまや絶滅の危機に瀕している「○子」。
かつて「○子」なんて名前を名乗れるのは、皇族とか公家・華族のお姫様だった。
戦前・戦後にドバッと氾濫し、いまや「何か野暮ったい名前」として見られがちだが、今の「~美」「~香」系や当て字系の名前の中に置くと、なんだかゆかしくて風雅で高尚な名前に見えて、はっきり言って目立つ。清楚で知的な輝きさえ感じさせると思う。
今こそ「○子」の復権を!生徒名簿を見るたびにひそかにそう思っている。
「ひねり・凝り系」「当て字系」が多いのは事実だから、本当に「人とかぶらない」名前にしたいのであれば、多少古風にした方が確率が高いのでは。(まあ、「レタス」はそう簡単にかぶらないだろうけど…)

…まあ、私の本名についてないんだけど。「子」。

自分の名前はといえば、「あまりに可愛げで、無骨な自分には全然合ってない、むしろイメージが合ってないから『名前コールド負け』と思われているに違いないのがイヤだ。ひらがな表記が女性らしさを醸し出しているのも、女の子らしくない自分には辛い。むしろ漢字にして欲しかったのに」ということで、長い間嫌いだった。今はさすがにもう慣れたし、名前とイメージがどうのこうのと考えるほど自意識過剰でもなくなったが。

ちなみに、「何故ひらがなにしたの?」と両親に昔尋ねた。
「お父さんの付けたい漢字とお母さんの付けたい漢字が違っていたから、折衷案でひらがなにした」
というイージーな成り行きの産物だったらしい。
キミたち…ちょっとは譲り合えよ…

投稿者 zerodama : 2005年07月19日 15:16

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コメント

近頃の子どもの名前は我が家の猫さんの名前より
かっとんでいるのかと恐ろしくなりました。
とはいえ、私の名前は某女優さんから名づけられた
んじゃないか疑惑もあったわけですが、もっと悲惨な
その当時流行っていた歌からだということが判明し
orzになったりもしたわけですが。
えぇ、名前自体は気に入っておりますよ。

投稿者 ぽち : 2005年07月19日 17:40

オレの同級生で、セガレに「ゴウキ」(漢字知らない)と付けたヤツがいます。
そいつはストⅡシリーズにハマってますた。
ちなみにウチのセガレの名は、第4次スパロボのグルンガストの最強技「計都羅喉剣・暗剣殺」から取ったっつう秘密がありマス。
さすがに縁起悪いんで、そのままの字はやめたけど。
英語読みだと女の子の名前なのは、本人には秘密。
将来「女の名前か?」とか言われても、殴りかからないようには育ててます。ハイ。

投稿者 eng : 2005年07月19日 17:51

小学生の頃、親に名前の由来を聞いてくるという宿題がありまして帰宅し母親に質問。
「パパの行きつけの飲み屋のホステスの名前よ」といわれて凹みました。
ジョークしてはキツ過ぎやしませんか?ままん。
ちなみに、相方兄弟の名前は女の私の名前(絶滅危惧名の○○子です)より女の子らしい可愛い名前です。見かけはゴツイのに…。
おかげで詐欺電話がかかってきても性別が違ってるので騙されないので助かってますけど
転校した時に用意されてるのは女の子の教材ばかりで困ったそうです。

投稿者 流れ者 : 2005年07月20日 00:20

ホント、今の名前はなんでもありですね。
小2の娘のクラスなんて凄いことになっています。
うちの娘は二人とも“子”がつくので、年配の方からは好感度が高いのですが、いまどきのお母さんからは引かれるようです。

個性的な名前と本人の個性は別問題と言うのがわからないのかなあ?

不思議なのは普通の名前の子どもとそうじゃない子はあまり親しくならない事。
うちの娘の友達は普通の名前が多いので助かっています。
やっぱり心愛(ここあ)なんて名前をつける親とは親しくなりたくないし…

以前、変わった名前に子どもに虐待児が多いという説を聞きました。
理由としては
・子どもを私物化している。
・それを止める環境がない。
まあ、突っ込みどころも多い説ですが、わかる気もします。

投稿者 よむよむ : 2005年07月20日 02:10

お久しぶりです。

私の親父の友人Sさんの息子の名前が「アトム」です。
さすがに漢字は知りませんが、名前だけで町内一有名です。
Sさんの長女が生まれたとき「ウラン」という名前の予定だったが、
周囲に反対されたからだと思いますが、「ウララ」になったらしい…
詳しい経緯はわかりませんが、かれこれ20年ぐらい前の話です。

投稿者 YO7 : 2005年07月20日 07:49

>ぽちさん
>その当時流行っていた歌から
もしやそれは、「花」がタイトルに入っているのではありませんか;

>engさん
>第4次スパロボのグルンガストの最強技「計都羅喉剣・暗剣殺」から取ったっつう秘密がありマス。
なーるほど~。私もお世話になりました、計都羅喉剣(主人公機スーパー派なので…)。
九曜そのものは昔からあるものですし、いいんじゃないでしょーか。
そのものだと確かに、凶運の星ですから、文字を変えられたのは良かったなあと思います。

>将来「女の名前か?」とか言われても、殴りかからないようには育ててます。ハイ。

それはとても(お子さんの将来のためにも…最後でアヒャらないために)大事な事ですねwよろしくお願いします。

>流れ者さん
>「パパの行きつけの飲み屋のホステスの名前よ」といわれて凹みました。
もしかしたらママンさん、パパの夜遊びに怒ってたタイミングだったのでしょうか…
かく言う私も、名前の由来は
両親「庭の花にちなんだ」
兄貴「俺が好きだったクラスの女の子の名前」
と説が分かれています。おそらく両者が一致したんでしょうけど。
難読名前の利点として、「オレオレなどの詐欺の対象になっても見破りやすい」というのは確かにありますね~。
>転校した時に用意されてるのは女の子の教材ばかりで困ったそうです。
確かに確かに。
高校で同じ学年の女の子に「マスミ」ちゃんがいたんですが、入学時に業者の手違いで男子向けの運動着が届いちゃった事がありました。男子が極端に多い学校という事情もあったんですが…

>よむよむさん
>いまどきのお母さんからは引かれるようです。
え、「引かれる」ってところまで行っちゃうのですか。怖いなあ…
「可愛くて他と違う名前じゃなくちゃ!」っていうのがもはや共通認識なのかな;
私はよむよむさんのお子さんの名前、大好きですよ。お二人ともイメージによく合っているし。

>個性的な名前と本人の個性は別問題と言うのがわからないのかなあ?

そこなんですよね~。
教師からしてみれば、同じ名前・似た名前(時には同姓同名)の子が自分のクラスにいたら、自分の仲で混同が起こらないよう、他の子にも増して、一層注意力を傾けて、差異とか個性を読み取ろうと努力します。ですから、「他の子とかぶらないように」っていうのは、端から見るとナンセンスなんですよね、ホント…
というか、「読みやすい名前」「古風な名前」っていうのも立派な個性ですしね。
「古臭い、個性的でない」と人の子供の名前にケチ付ける前に、卒業式で「鈴木シャネルさん」「加藤アナコンダ君」と呼名されて、「プークスクス」と笑いが漏れることのほうを心配しろと言いたいです。

私が引用したBlogで一番引っかかったのは
「覚悟はしてたけど、かわいそうだな~」
という部分です。
当の子供は「覚悟」などできない時期に名前を決められるわけで、「覚悟」は親がするものではないですよね…その辺の「履き違え感」から、あまりにも暴走した名前付けってどうかと思うわけで。

>・子どもを私物化している。
 ・それを止める環境がない。
確かに頷ける部分がありますね。あまりひどい名前は、ペットやポストペット感覚で名前付けてないか?って感じもしますし…
親が死んだ後も、子供は何十年もその名前で生きていかなければならないことを考えたら、少なくとも「アナコンダ」は付けられないと思うんですよね。

>YO7さん
こちらこそご無沙汰しております。
>「アトム」
当て字かカタカナかで印象違ってきますよね。私はカタカナであれば多少アレでも許容範囲かなと思ってます。また、「原子」と書いて「アトム」もなんだかいいかなと(直訳だし)。「亜都夢」とかだとちょっとナニかなって感じでしょうか。
アトムといえば、「下條アトム」氏が本名っていうのが有名ですね。命名したころ「鉄腕アトム」はまだなかったらしいです。

投稿者 大道寺零 : 2005年07月20日 09:06

ご明察。あの歌でございますよ。
しかしあの歌でその名前をつけようというのはあまりめでたい感じではなく、むしろ不吉なのではないかと思ったりもするのです。
とはいえ、由来を周囲に聞かれるほどに変わった名前ではなかったことは幸いでした。

私の友人のお兄さんの名前が「リカ(漢字は知らず)」でした。
命名者のお母様曰く「命名したときは人形も出ておらず、女性の名前という認識はなかった」とのこと。
しかしその後、彼はことごとく名前で女性に間違われ、いろいろと大変だった模様です。

投稿者 ぽち : 2005年07月20日 17:10

>ぽちさん
ああ、やはりあの歌でしたか~。確かにあまりちなんで欲しい歌ではないですがw
私はエントリーにも書いたとおり、名前と自分のキャラクターがあまりにも合わず、「名前が、ぽちさんと同じ名前だったらよかったのに…」とずっと思ってました。中性的で好きなのです。

男性でも女性でもアリな名前(「真澄」「圭」など)は、読むほうも「どちらでもありうるな」という気持ちで当たりますが、「この文字・この読みなら間違いなく男性(女性)に違いない」というイメージを強く与える名前は、確かに誤解を招きがちですね。
高校時代の友人で、「恒」という文字の女の子(よみは女性っぽいものが当てられていました。極めて美人さん)がいましたが、やはり一文字だと「ひさし」と間違えられて、顔見てビックリということが多かったらしいです。

投稿者 大道寺零 : 2005年07月22日 01:26