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2005年07月25日
堕ちてゆくのも幸せだよと
「チャングム」の面白さは、時に「ミスター味っ子」であり「美味しんぼ」であり、時に「父の魂(親子執念ものというとそれしか思いつかないのか)」であり「巌窟王」であり…というように、様々な物語の要素が入れ込まれているところにもあると思う。
そして、確実に「ガラスの仮面」も入っている気がする。
チャングムがマヤであるだけでは「ガラスの仮面」にはならない。亜弓さんが必要だ。
多くの人が指摘するように、ライバルであるクミョンが亜弓さんに非常に近いキャラであると思う。
物語の悪役・チェ一族の将来を担う位置ではあるのだが、最初のころは実に亜弓さん的だ。
*代々王の食事を司る要職を継いで来た名門に生まれたサラブレッドというだけでなく、天性の才能に恵まれている
*天才と賞されるが、実は努力家でもあり、一族の七光りで特別扱いされる事を嫌うフェアさがある
*チャングムの才能を恐れながらも誰よりも評価しており、実力で勝負をしたいと思っている
というあたりが特にそうだろう。
特に見習いの頃(このちび期のクミョンが可愛いのだ)は、孤立するチャングムに非常によくしてくれるお姉さんでもあった。
チャングム不在の時に、何人かが代役を申し出るものの、ハン尚宮に命じられた課題を誰一人こなせず、「チャングムは贔屓されている」とボヤいた時に、「チャングムは全てやっていたわ」と言い放つシーンも亜弓さん的だった。
しかし物語が進むにつれ、「宮廷内の汚れ仕事を引き受ける事によってその位置を築いたチェ一族としての仕事」に手を染めなければならなくなり、キャラクターが段々変わっていく。
時節柄、「クミョンがダークサイドに堕ちる」とよく言われる。
というか、BSナビゲート番組で局アナからも言われていた。
しかし、最初のうちは涙を流したクミョンも、段々と悪の道に自ら進んでいく。
誰のせいかといえば、「ラブ米」ことミン・ジョンホ。どう見てもこいつが元凶なのは、見た人なら頷けるだろう。
クミョンとジョンホは、幼い頃から顔見知りであり、クミョンはその頃からずっと憧れていた。
しかしジョンホが日ごとに「チャングムさんラブ」になって行き、チャングムと話す時はこの上なくニコニコしているのに、クミョンが話し掛けても「なんだクミョンさんか」と言わんばかりのどーでもよさげな態度、しかも会話もすこぶる事務的。
見ていても「お前も大人なんだから、ちょっとは取り繕ってやれよ」と言いたくなるほどの態度の差。
かくしてクミョンの怨念の矛先はチャングムに向き、自ら進んで「チャングムが苦しむなら何でもやるぜ」とおそ松くん(旧)状態になっていくのであった。
まあ、ジョンホと知り合ったり、親しくなるようなきっかけを作ったのは、元を正せばチェ一族側の陰謀であったりクミョンのポカであったりしたのだが…
まあいずれにせよ、「もしも亜弓さんが梅の里でダークサイドに落ちていたらこうなったかも、別にならなかったかも」と迂回した妄想もできないこともないのだった。今後もクミョンのダースベイダー化に目が離せないのだった。
さしずめジョンホは、「全然正体を隠さない紫のバラの人」だろうか。単に桜小路YOUかもしれないが。
投稿者 zerodama : 2005年07月25日 15:14
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