2005年07月21日

BB

日本ドラマに比べて、海外ドラマの方が見ていて楽しい事が多い。
理由を考えたのだが、

・母国語以外だと、多少演技(台詞回しや滑舌)がヘボくてもあまり気にならず、俳優のパーソナリティや雰囲気で楽しめてしまう。

ことが大きい事に気付いた。英語(もしくはその映画の母国語)力がある人はそうも行かないと思うが、ヒアリング・スピーキング能力が低い私には無問題だ。(若かった事もあるが、「戦メリ」の坂本龍一ですら当時は「いいかも」と思ってしまったほどだ…今となっては大いにどうかと思うが…)
多少大根でも気にならないので、ストーリーや背景などにスンナリ入っていける。
日本ドラマの場合だと、ヘボさはヘボさでしっかり分かってしまうし、役柄とプライベートにあまり乖離がありすぎる場合にも気分が冷めてしまうことがある。

そんな私でも、「ブルースブラザーズ2000」の、クラプトンの
「Why Not!(いいね)」
はハッキリ「ああ、クラプトンったら大根だなぁ(だがそれがいい)」と分かった。

というわけで、先日HDD録画した「ブルースブラザーズ(以下「BB」と表記)2000」を所々見た。
見たいところだけサーチしたり、同じところを何度も見るうえで、チャプター分割が実に便利だ。
逆に言えば、それだけスキップする部分が多かった(特に音楽部分以外)とも言える。
「BB」と「BB2000」を比較するのは、どちらも好きな作品ではあるが、やはり酷な事だ。
エルウッドの相棒となるBBメンバーは、「2000」では3人登場し、それぞれに魅力はあるけれど、結局は、「ジェイク(ジョン・ベルーシ)の不在を埋めるには3人も必要(そしてそれでもまだ足りない)」ということを、見るたび再確認してしまう。
ただこの作品の甘え上手でズルいのは、登場ミュージシャンが豪華で、しかもみんなそれぞれ楽しそうに演奏している所だろう。この作品を見てみようと思う人間にとって、
「まあ○○(これはJ.Bであったりアレサおばさんであったり様々)が楽しそうにやってるからそれだけで許そうかな」
と思えるアーティストが少なくとも一人は出ている。そこがズルい。
まあ勿論そのくらいでは許せない向きからの批判もものすごい多い作品ではある。

批判の要点は数々あるが、それは一々頷ける指摘だ。

*前作に比べて、ブラックさがなさ過ぎる

上流階級・ネオナチ・警察・良識・宗教など、おそらくは「音楽以外のもののほとんど」をおちょくり倒した「BB」の「ヤバさ」は相当薄れてしまっている。
これはベルーシの不在が大きいとは思うが、責められない一面もある。
「BB」から「2000」の間に、随分外野からの声がうるさくなり、企画に当たって
「子供を出せ」「家族の情愛を加えろ」「タバコは吸うな」などの規制がやかましかったという説がある。確かにその話を聞いてからバスターを見ると、素直に盛り上がれないものがあるのは事実。

*エルウッドやBBバンドの目的がなさすぎ

「BB」では、「育った孤児院を存続させるために固定資産税を払うためのお金を、期限内に作る」という骨子があった。
「2000」の場合、最後に「クイーン・ムセットのところでバンド勝負」というモチベーションが登場するものの、それは成り行きに過ぎない。
ジェイクを失った心の穴を埋めようと、混乱したまま突き進むエルウッドの物語と考えるべきなのか。

*意義のわからないオカルト表現が多く、しかもスベりがち

コレは確かにそうだなあ…許容派から見てもツラい場面がいくつかある。
特にお約束の、終盤のロシアンマフィアたちが乱入して来る場面で、クイーンの妖術で全部片がついてしまうのは残念。「BB」では、あの伝説の車落下場面+衝撃の告白シーンという目玉があっただけに、もう一騒ぎするものだとばかり思っていたのだが。

とはいえ、最後の「ニューオリンズ」のセッション&スタッフロールは何回見ても幸せになれるのだった。


「2000」に関する個人的な不満点

エルウッドがパンを持ち歩いていない(やたらとパンを焼いて食う場面がない)こと。
 やっぱり『ドライのトースト』を愛食しなければ!
 「BB」のレイの楽器店で、メンバーがそれぞれ楽器を物色しているのに、真っ先にトースターに心引かれ、懐からパンを取り出して焼き始めるエルウッド萌えなので。

ところで、ファンの昔語りによれば、ブルース・ブラザーズがTVで放映された時、キャストが「小野ヤスシ&せんだみつお」だったとのこと。
最初は驚いたが、吹き替えの評価は高いようだ。是非一度見てみたいものの一つ。
まあ、バブルガムブラザーズの吹き替えが悲惨だったのも大きいかもしれないが…

投稿者 zerodama : 23:47 | コメント (0) | トラックバック

2005年05月01日

金(より大事なもの)カエセヨー

鶴岡に、鈴井貴之氏の第3回監督作品「銀のエンゼル」上映会を観にいく。
前作「man-hole」「river」は、山形での上映はなかった。特に庄内は単館系のものには恵まれないので、「鈴井さんの映画はDVDで見る」しか手段がなかったので、今回1日(午前午後各1回)だけとはいえ、ホール上映が決まったのはとても嬉しかった。
相方も時間を確保してチケットを取り、グッズ販売もあるというので早めに会場へ。

客の入りは7分くらいか。中央の見やすい席をキープ。
映画はDVDやTV・BSで見ることが多いので、実は相方と映画デートするのは、長い付き合いだが今日が初めてだったりする。

結論から言うと、何が酷いって、画像があまりにひどかった。
冒頭部から、フォーカスが甘い。しかしそれでも最初のうちは、フィルムの味付け(あえてざらついた画面に作っているのか)かと思えなくもなかったが、中盤あたりからひどくなってきた。さすがに不自然、というよりも、「自分の目が突如どうにかなったのでは」とすら思えるほどだった。
普通は、「何かトラブルがあったら映写室のほうで調整してくれる」だろうと思うし、1回きり完全入れ替えの上映で、クレーム入れに外に出ようという気にもならない。時間が経つにつれ「いくら何でもオカシイ」という気分が強まる。
結局ストーリーは進むが画質は最悪(ボケボケ)のまま。
スタッフロールの文字もボヤボヤ。

と、突如、画面に

「レンズフォーカス調整」

という文字(明らかにメニュー操作状態)が出現。
数秒操作があって、ここで初めて調整がなされたあげく、いきなり画像が鮮明に。
いや、鮮明というか、これが普通なのだけども。
これまでの全編、本来ならこんなにクリアに見えてたのか!金と時間を返せ!
という気分で、怒りが込み上げるより先にもう萎え萎え。

いい年をして若者っぽい言葉を使うのも気が引けるが、こんなに「ありえない」という言葉がしっくりくる状況は前代未聞だ。

あのなー、しがないPC講師の私ですら、講座がはじまる前にディスプレイの調整(フォーカスや大きさ、色合いなど)はちゃんと終わらせておくぞ。
映写室の中に入ったことがないのでよく分からないのだが、上映中は映像やフィルムが乱れたりする事を想定してずっとその場にいてチェックしているものではないんだろうか。寝てたのか。
会場は鶴岡市中央公民館、主宰はYTS。実際に映写に当たっていたのがどちらのスタッフかは分からないが、主催者側が一人でも中に入ってチェックに当たっていれば、もっと早い段階で連絡して調整させることができたんじゃないだろうか。金取ってやる仕事の内容とは思えない。
「DVDではなく、スクリーンで見れる」のを楽しみにして足を運んだのに、お粗末な映写が気になって映画に没入できなかった。
それよりも何よりも、鈴井監督はじめ、寒い中心血を注いでこの作品を作り上げたスタッフ・出演者を冒涜したのと同じことだ。映画を作ろうという人間が、一つ一つの映像に心を砕いてない筈はない。ボケた状態で90%以上を上映されたのを知ったら、さぞ悲しいことだろう。最低にも程がある。そんな体験だった。
流石に「金返せ」と言うクレーマーにまではなりたくないが、出口のスタッフに相方が「映像が酷かったですよ」と言ったところ、「すみませんでした」と言ってはくれたが、そういう事実があったことは知らなかった模様。それもどうかと。
流石に13:30の部では同じことは繰り返さないだろうと思いたいが…
5/3には山形で上映会があるのだが、そちらのほうもつつがなく上映されますように…

あまりに酷いことで、怒りというより失望が収まらず、YTSのサイトからメールで問い合わせしようと思ったのだが、アドレスは一応書いているものの、
「メールには返信しません、返事が欲しい人は電話で」
とか書いてるし…何なんだそりゃ…

ところで、会場ではグッズ販売もあった。
開場前に並んでいたところに、あらかじめ販売グッズリスト兼購入希望書を配布し、記入したものを係に渡して会計・グッズ受け取り(混雑防止のためらしい)という方法。
パンフとどうでしょうステッカー、「CUEジャンボリー2004」DVDなどを買う。そこそこ買ったためか「フィルムしおり」を付けてくれた。
他にはDVD・どうでしょう本も。
リストの中に「いぶし銀」とだけアイテム名が。
それだけで売るほうも買うほうも充分分かってるというのもすごいが。

水曜どうでしょう公式サイトでは、ファンは「どうでしょう藩士」、DVDやグッズを予約したり購入するのを「年貢を納める」と呼ぶ。
今回のグッズ購入も「臨時年貢の納入」だったわけだが。
相方いわく

「藩士なのに年貢取られるっていうのは、一体どういうことなんだろう…」

……確かに。

<内容について>
気分が萎えたあまり、内容について書いてなかった…
予想通り淡々とした内容ではあったが、1300円分の価値は充分にあったと思う。
「父と娘」という関係が一つの柱なのだが、鈴井さんの娘溺愛は有名なので、ちょっと時々「うちの娘が大きくなったら俺もこんな風に扱われるのかなあ」的な感傷が強めに出ていたのはどうなのだろうな、と感じたが。
「観光地イメージではない北海道の生の日常」を描くということについては成功しているかと。電柱や電線をあえてフレームに入れたというパンフ記事を読むと、それもなるほどと思う。
コンビニが一つだけの田舎の町、という風景はどこにでも置き換えが可能で、共感できると同時に、風景や空の広がり・雪や寒気の表現など、隅々に北海道らしさがある。そういうところにこだわっているだろうからこそ、普通の画面で見たかったんだチクショー。
出演陣はみんな良かったが、特に村上ショージが◎。出番は多くないがいい味出していた。

見終って思わず「コーヒーメロン」を検索してしまった人は日本中にたくさんいるだろう。私もそうした。メロンパンしかヒットしなかったけれど。

*DVD「CUEジャンボリー2004」
予想以上にヌルい内容であった…が、久々のナックスハリケーンがみれて小ネタもちらほら入っているので、まあいいか…

投稿者 zerodama : 21:01 | コメント (0) | トラックバック

2005年04月14日

ぐろうりやのぜずさま

諸星大二郎の名作「生命の木」が、「黄泉」というタイトルで映画化されるそうな(「あけてくれ」を読んでて知った)。

んでこちら、「岩手日報」の記事より。
ロケ誘致を喜ぶ地元の様子が見て取れる。
話がどういう風にリライトされてるのかは知らないけど、基本的に、共同体的に後味の悪い話ではあるので、無邪気な反応を見ていると、お節介ながら心配になってくる。

>同町のPRにも一役買いそうだ。

……ぼ、ぼく知らない……

この話の稗田先生に同行する役は男の子なのだが、やはり絵的には女性のほうが華やかでいいのだろうな。どうせなら「栞」か「紙魚子」きぼん。

投稿者 zerodama : 06:59 | コメント (0) | トラックバック

2005年04月08日

あらすじの意味は良くわからないがとにかく凄い映画だ。

幻の湖
って、2年も前にDVDになってたのか…知らなかった。
この映画の封切りはかすかに記憶にあるのだが、その凄まじい内容を詳しく知ったのは、「映画秘宝」別冊だった。
どういう凄さかというのは、作品名で検索してもらえばつぶさに語っているサイトが沢山あるので、あえてここではクドクド述べない。
データベースの簡略な説明文でも大体伝わってしまうというのがこの映画の底力だ。

内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)

橋本忍が贈る奇妙なSFドラマを初パッケージ化。何者かに愛犬を殺されたソープ嬢・道子は復讐を誓い、犯人を捜し始める。

実はこの復讐劇には戦国時代からの怨念が絡んでおり、さらに事態は政府の宇宙開発を巻き込み、ジョギング対決へと発展していく。

できるだけ無難に簡潔にまとめようとしても、ものすごいものが滲み出ちゃっている。
特に「政府の宇宙開発を巻き込み、ジョギング対決へと」の部分のダイナミズムがたまらない。
このエントリーでリンクしたのはAmazonのページなのだが、おなじみ
「このDVDを買った人は他にこんなDVDを買っています」
のコーナーに、しっかりと「シベリア超特急」が並んでいる
あたりが全てを物語っている。

それにしても、冷やかしで買うにはずいぶん高い価格設定だと思うんだが…

投稿者 zerodama : 01:22 | コメント (0) | トラックバック