2005年09月05日

窓を開いて空を見ろ

イドさんのBlogで、「ガイキング」リメイクを知る。
まだ静止画数点しか見れないが、現時点では濃ゆいお兄さんお姉さんたちの影も形も無く、ありがちなボクちん一人いるだけなのが気がかり。
よもや、「ボクとガイキング」的な、もっと言えば「ムシキングみたいなガイキング・大空魔竜」になったり…しないでほしい…
せめて、ピートとサコンだけは出ないかなあ。
あと、「ピートもサコンもサンシローも出るけど、みんなジャリキャラ」なんて、ものすごくありがちなのもカンベンしていただきたいが…みんなジャリキャラで、しかもわりと仲悪いところだけ旧作に忠実…

あれ?色々妄想してたら「とべ!人類」になってたよ?

どーでもいいことだが、タイトルのところにあるアオリ文句、「マジレンジャー」そのまんまなのは何か狙っての事なのか?

投稿者 zerodama : 12:22 | コメント (2) | トラックバック

2005年09月04日

大泥棒の末裔の末裔

「企画はされたが結局実現しなかった番組」は数々あるが、ある時期のアニメファンにとってけっこう有名なモノの一つに、「ルパン8世」がある。
この企画、「フランスとの共同企画」「監督がりん・たろう」「キャラデザが荒木伸吾」ということでわりと期待されており、1980年代前半のアニメ雑誌には何度か登場していたので、当時その手の雑誌を購入していた方には覚えがあるかもしれない。
しかもその画像がけっこうキレイで、断片的なシノプシスの安直さに「それってどうよ」という危惧も含みつつ、「しかし、りん・荒木ルパンというのも見てみたくはある」という興味をかき立てるものではあった。
しかし結局、何年経っても具体的な話が出されず、話題すら雑誌に載らなくなり、当時小坊・中坊ながらに「まあ、ポシャッたんだろうなあ…」と思って月日は過ぎに過ぎた。

アニメ化はポシャッたものの、実は「100てんコミックス」でマンガが掲載され、単行本にもなっていたのだそうだ。
内容は以下のリンクに詳しい。
a Black Leaf:ルパン8世とルパン小僧

……このコミック版がどのくらいアニメ版の企画内容に忠実だったかは今となっては不明だが、忠実だったとするならば、形にならなくて正解だったのかもしれぬと泣き濡れるのみ…
キャラ設定や台本まで出来ているので、相当の段階まで進んでいたんじゃないかと思われるのだが。
調べるとこのコミック版、「原作:モンキー・パンチ/作画:おりはるこん」となっているそうだが…
誰なんだろう、「おりはるこん」先生…

ルパン研究サイトとしてとても内容が充実している「TYPER’Sルパン三世探索隊
」のコンテンツでは、
ルパン8世設定画
「甦みがえれベネツィア」台本
が公開されており、とても貴重な資料である。
特に設定画は、意外なほどにイイ線行ってると思うのだが…女性が得意な荒木キャラということで期待された不二子ちゃんは、おとなし過ぎかな?という印象。

上記Blogで触れられている「ルパン小僧」は、近年コンビニ版で復刻されていたものを購入。もともとの知名度も「8世」よりは高かったかな?と思われるのだが…んーーー……まあ、
「ルパン好きだから一応コレクションとして持っておこう」ってな程度ということで、お察しを。要するにレビューのとおりということで…

今回ビックリしたのは、「8世」のコミック版の存在もそうなのだが、「押井守ルパン(こちらは3世)」という企画が存在していたこと。
詳しくはこちらの
WEBアニメスタイル COLUMN 「編集長のコラム」 第15回
「『ルパン三世』の話(5) 歴史の分岐点・押井守版『ルパン』」

を参照のこと。

 『PARTIII』放映中の1984年秋、「アニメージュ」10月号(vol.76)に押井守監督による劇場『ルパン三世』の制作決定の記事が掲載されました。その記事で「現在決定しているスタッフ」として名前が挙がっているのが、以下のメンバーです。

監督・脚本/押井守
脚本/伊藤和典
アート・ディレクション/天野喜孝
画面構成/金田伊功
原画/森山ゆうじ、山下将仁、北久保弘之、森本晃司、庵野秀明
演出助手/片山一良

ぐはぁ~~~
信じられるかこのメンバー!な豪華さ。
豪華さ故に、どんなものになっていたのかさえ想像がつかないほどだが、もしもこの企画が実現していたなら、確かにコラム内で編集長が語るように、現在のような定番化してヘタレたTVスペシャルが放映されるような哀しい「ルパン」状況にはなっていなかったかもしれない。
時期を考えると、もしかしたら「ビューティフル・ドリーマー」以前にはっちゃける押井ワールドをルパンで見れたかもしれないわけで、幻企画としては相当最強の部類に入るだろうなあ、コレ。
ゆえに想像もつかないが、少なくとも今の押井守のイメージだと、「P3」ばりに「ルパンが出ない話」とか平気で作りそうかな?とか、色々妄想してしまう。

投稿者 zerodama : 16:00 | コメント (0) | トラックバック

2005年08月22日

まんが日本昔ばなし復活

ゴールデンで復活、だそうな。

記事によれば、語りも歌もそのままで、杜氏の放送データをデジタル処理して放映するらしい。
なかなか期待が持てる。
数々のトラウマ物件をお見舞いされつつ保存するチャンスだ。
是非とも「トラウマセレクションディスク」を作成したいところ。

やはり「耳なし芳一」は外せないだろうなあ。
私はアレを、不幸にも開始3分後くらいから(つまりタイトルを見ていないがために「耳なし」になるという心の準備すらしない状態で)見てしまったために、「耳ブチ」シーンでは脳が萎縮するほどのショックを受けたのだった。楽しみ。

投稿者 zerodama : 00:08 | コメント (0) | トラックバック

2005年07月31日

どうぶつ宝島

BSで放送した「どうぶつ宝島」見る。
森やすじの代表作なので期待したのだが、期待以上に良かった。
良かったというより、ほんと「楽しかった」という久々の感覚が心地よい。

この頃の東映の劇場アニメってとにかく「線」がまろやかで綺麗で、思わずうっとりしてしまう。
このなんともいえない線のまろさと、芸の細かい丁寧な動きを見ていると、30年以上かけてアニメが色々進化した反面失ってきたものについても考えてしまう。
童話チックなのに、不思議に実感的な家や町並み、背景もいい。

主人公のジムとキャシー以外はみんな擬人化した動物なのだが、シルバー船長に豚をキャスティングするとは、また思い切ったものだ。

ジムが最初に船出する、樽を改造したパイオニア号が、もう可愛くてたまらない。コロコロしてて。
でもこんなに可愛いのに大砲は積んでいる。その大砲も可愛い。

まあ何がいいってやっぱり、ヒロインにして主人公を食っちゃった感のある「キャシー」のキャラクター造形を抜きにしては語れないだろう。
原画や場面設定などで大活躍した宮崎駿の好みがバリバリ出ているキャラで、見るからに「宮崎キャラ」。例えるなら「10歳若いモンスリー」とでもいうところか。フリント船長の孫娘という役所で、いきなり2丁拳銃を華麗に操り、海賊相手に一歩も引かないアクションと、仏頂面がたまらない。声は、色香が開く寸前の増山江威子。言われないと分からないくらい、今と声が違う。

山本直純の音楽も、軽快なテーマ曲と海賊の曲が耳に残る。特にテーマ曲は覚えやすく、「冒険するぞ」というワクワク感をそそる名曲だろう。
特別出演してたらしいが、どこだったんだろ?

投稿者 zerodama : 23:49 | コメント (2) | トラックバック

2005年06月21日

昨日のBJ

昨日放送のBJ「青い海の恐怖」をHDD録画しておき、見た。
いやー、なんてラクチンなんでしょ。久々に「文明の利器を買った!」って気がする。
新聞がたいてい階下(義親)のところにあるので、ラテ欄が手元になく、うっかりいい番組をスルーしてしまうことが数々あったのだが、これからは電子番組表があるからラテ欄いらず。
ついうっかり
これからは新聞いらないね!
と相方に言ってしまい、
いや…それは違うだろう…」と呆れられた。

この時間帯は夕飯を作ってたり食べたり、ニュース見ていたりで、BJを見逃してばかりいた。ゆっくり見たのは今回がはじめてかも。
OP…Avexのアニメは、作品のイメージと所属アーティストの楽曲が毎度毎度全然合ってなくて萎える。またGlobeかい…

原作は「青い恐怖」。BJが所有している島の男の子が巨大シャコに足を挟まれる話。
この男の子・太一役が田中真弓。
「海を愛して海に生きる決意をしているが、海の本当の恐ろしさをまだ知らない」というのが今回の鍵で、最後に太一の父が「海が嫌いになったか?」と問い掛けると、太一はこう言う。
「海が怖いものだって初めて分かった。でも俺はやっぱり海が好きなんだ」。

「海が好き」…
「海が好き」…
もしかして…
田中真弓に「海が好き」と言わせる…というギャグこそ、この話最大の目玉だったのか?

……古いネタを持ち出してあいすみません。

投稿者 zerodama : 13:28 | コメント (2) | トラックバック

2005年06月10日

中国で海外アニメの放映制限へ

外国アニメ放映禁止へ 中国、国産品の振興狙う (共同通信) - goo ニュース


 【香港10日共同】日本や米国製のテレビアニメが人気の中国で、国内製アニメの振興を狙う当局が、ゴールデンタイム(午後5-9時)の外国製アニメ放映を禁止する見通しとなった。9日付の香港紙、東方日報が伝えた。

記事ヘッドでは「放映禁止」というタイトルなので目を剥いたが、記事を読んでみるとあくまで「17~21時ゴールデンタイムの放映制限」ということだ。
今の日本に置き換えてみれば、「韓流ドラマのせいで国内ドラマの視聴率が振るわないので、放映制限します」って感じだろうか。
まあビデオもあるので、時間が早朝や深夜に移動したところで、見れることは見れるわけだが。
先日、個人Webサイト・blogの登録義務付け(登録しない場合はアカウント剥奪もありらしい)の話が出たばかりで、「言論・認識統制」という言葉がイヤでも頭をよぎるが、どちらかと言えば、現在アニメ産業を必死こいて発展させようとしている中国の「文化的セーフガード」としての性格がより強いようだ。
こうした文化的オブジェクトの流れを規制し、摂取する機会を限定することを、普通は「統制」と表現するような気もするが。
とはいえ現状が

中国では既に2000年から、各局が放映するアニメ番組の6割を国内製とすることを義務付けているが、中国中央テレビを除く地方の大半のテレビ局でこの規定が守られていない。このため当局はより強硬な措置に踏み切ったという。

ということで。
テレビ局が規定を守らないということは、「国産アニメでは数字を取れない、他局に勝てない」、つまりは「まだ競争力が足りていない」という厳然たる事実があるわけなのだが。

いつから禁止されるかは未定だが、アニメキャラクターの関連商品の販売も規制される可能性があるという。世界貿易機関(WTO)協定違反の疑いもあり、内外で議論を呼びそうだ。同紙は、9月開園予定の香港ディズニーランドの客足減少にもつながりかねないと指摘している。

海外アニメのグッズ販売を規制する前に、国内の海賊版や版権無法っぷりをどうにかしたほうがいいんじゃないかと思うのだが。
それはさておき、版権とゼニには世界一厳しいディズニー相手では、ヘタをすると開園自体があやぶまれるんじゃないかと…

中国が国家アニメ産業基地を設立
(東京国際アニメフェア2005-アニメ関連ニュースより)

中国のアニメ業界はどうなっているのか、どんな作品があるかということをちょっと検索すると、この手の記事にけっこう突き当たる。中国としてはかなりテコ入れをしたいようだ。またゼニ的にも、「外国資本からガンガン金を入れてもらいたい」という方向で動いている。(とはいえ、「だが、外国企業の中国における100%出資企業の設立及びアニメーションの制作が近いうちに承認されることはないと予想される」など、えらく制限的)

参考記事:「中国:アニメ・放送分野を対外開放、外資導入に期待=アジアインフォネット

ここで言われているのはあくまで「外資を入れてもらって国産アニメを作る」話なのだが、こうした閉鎖的な市場に意欲を見せる投資元があるのかどうか、よくわからん。

また一方では、「日本のアニメ・マンガを模倣するのはイクナイ」という「いつの時代っすか」という批判が平然と起こったりする。
今年2月には、「紅楼夢」の漫画に関して、
「出席したメディア関係者から「登場人物の描き方が、日本のアニメや漫画のような、大きな目、長いまつげで、流行にこびている」「肌の露出が多過ぎる」などの批判」
が出たらしい。
(ちなみにこのニュースの中で、紅楼夢学会の方が「どんどんやれw」と鷹揚な態度なのがすばらしい。さすが紅楼夢を研究題材に選ぶ人って感じだ)
(ニュースソースのページがなくなっていたので、「アニチャイ!(中国アニメ事情)」の関連エントリーをリンクさせていただきます。)
お次は金瓶梅(作品的ヤバさの度合いがかなり上…日本ではわたなべまさこ御大が描いたな、そう言えば。)…には行かないのかな。
(と言って、今の低年齢層向けエロ本と化した「少女コミック」みたいな状況が必ずしもいいとは思わないけれども)

この記事で思うのは、「模倣」が「発展・成熟(漫画やアニメに限らず文化というものは「常に過渡期」だから面白いと思うので、あえて「完成」という言葉は用いない)」や「独自性獲得」に果たす役割を理解せずに、ただ(勧請や政治的な思惑や性急さによって)排斥する浅はかさだ。
日本のアニメや漫画が、どれほど多くのものを海外アニメや洋画・映画などの外的なものを取り入れ、一方で伝統絵画文化のエッセンス(「戯画」の軽妙さ・デフォルメなどに関わらず、筆のタッチとか日本画的なテイストとか)と融合しながら表現の豊かさを獲得したかは、今更言うまでもない。
手塚治虫や石ノ森章太郎らがディズニーや海外アニメの影響を受け、どれほど模写を行ったかと言う話は有名(一方で、洋画デッサンや模写も大量に行いながら画力を身につけてもいる)。
中国のアニメ・漫画市場は、日本やアメリカと比較してみれば遥かに過渡期・成長期にあり、模倣だ何だと四の五の言わず、様々なものを貪欲に取り入れるべき時期なのではないだろうか。
満遍なく栄養をとらなければならない成長期の子供に、親の思想を強制して偏った内容の食事しか与えなければ、身体の成長に支障をきたしたり、またひどい偏食で食文化に興味をもてないつまらん人間になりかねないのと同じことだと思う。

中国発のアニメというと、昔製作された「ナーザ」とか、最近ではBSで放映されていた「ゼントリックス」くらいしかちゃんと見たことがない。
ゼントリックス」はホンコン発のフルCGアニメーションだが、デザインや動きはなかなか見るべきものがあった。
さくらたん似のヒロインの子が可愛くて健気でいいのだが、ストーリー自体はまあ単純な勧善懲悪冒険物で、キャラクターの性格設定もわかりやすいと言えばわかりやすい、紋切り型と言えば紋切り型。
日本ではそうでもなくなってきたが、中国では依然として「漫画・アニメは子供向けのもの」という考え方が強固らしい。それゆえストーリーやキャラクターがどうしても紋切り型・優等生的になりがちで、深みに欠けるという指摘が多いそうだ。
スタッフ育成も、作画・技術関係も勿論だが、それ以上に「新鮮味のあるストーリーやキャラクターを作れる人材の育成」が急務とされている、という記事も読んだ。

かつては日本アニメ・漫画も「お子様向け」とされた状況の中で、作り手が現状に挑戦しながら、時にはPTAやら何やらと戦いつつ「その枠を超えてエポックメイキングとなる」作品を作り上げ、いくつものブレークポイントが生まれてこそ、今のように多くの年代が多彩な作品を楽しめる状況がある。
そうして考えてみると、中国では今がチャンスの時期のはず。だった。
「クレヨンしんちゃん」が向こうの子供に大人気(もっともこれは、双葉社の先手を取って中国側の企業が中国語名で先に商標登録したため、本家の双葉社側が「著作権的に違法」として締め出されるということがあって、版権的に「ナンジャソラ」なことになっているので微妙なのだが…中国が国内に入れるとはちっとも予想できなかったので意外だった)というのも、「いい子キャラばかり」からの脱却(というニーズ)のポイントができつつあるのかな、と思っていただけに、今回の規制によってどれほど停滞することになるのだろう…と思う。
勿論、日本のアニメの今日的状況が「絶対的成功」「理想的な発展」とは言い切れないわけだけども。栄養を制限しておいて「ドメスティックな進歩」を為そうというのは相当難しい話ではないのかな。

投稿者 zerodama : 12:29 | コメント (0) | トラックバック